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私たちがWeb世界を作っているということ。

Web標準について思うところがあったので、自分の意思確認のためのアウトプットです。

Web標準とは

Web標準とは、W3Cによって規格化されている標準技術のことを指します。構造的かつセマンティックなマークアップ、見栄えをCSSで制御する手法で実装を行うことで「CSSのあり方について考えてみた。」で述べたような技術的なメリットが得られるだけでなく、ブラウザサポートの改善、ノウハウの普及、学習コストの低下などにも繋がります。

また、Webの利用者に占める高齢者やハンディを持つ方々の割合が高まり、Webアクセシビリティの重要性が広く認知されてきています。2008年12月に、草案の段階から多くのフィードバックが寄せられていた『WCAG 2.0』が勧告され、Webアクセシビリティのガイドラインとして広く利用されています。JIS規格もWCAG 2.0と調和するよう改訂が進められているそうです。

広義なWeb標準

このように、XHTML、HTML、CSSなどの標準技術をWeb標準とすることが一般的です。その通りなのですが、個人的にはもう少し俯瞰した捉え方もあるのかなと思っています。些か極論ではありますが、広義な意味でのWeb標準とは、Web世界で暮らす為のルールであるということがいえるのではないでしょうか。私たちが暮らすリアル世界では、信号が赤になったら止まる、青になったら進むというルールがあります。私たちは産まれたその時から、そうした「常識」の中で成長するため、当たり前のようにそれらを身につけていきますが、Web世界はまだ十数年しか存在していないため、ルールがなければ誰もが好き勝手に道路を渡り、事故が多発するような世界になってしまいます。

このまま、この例え話に興じるなら、Web世界の政情を司っているのがW3Cという国家組織で、学校で使われる教材が文部科学省の検定を受けているのと同じように、W3Cという組織では、仕様の策定が行われています。その中にはTim Berners-Leetという総理大臣がおり、Apple, Google, Microsoft, Mozilla, Operaといったブラウザベンダーを始め、幅広い分野の企業が閣僚として参画しています。そして、その国の執政にあたるのが国会議員であり、実際にWeb世界において権力を持っている方々はそれに当たります。彼らは率先して市民の声に耳を傾け、ニーズを汲み取り、執行機関の施策に反映していかなければなりません。

そうした地位にいる人はほんの一握りで、私を含め殆どの人は毎日のように政治家活動を行っている立場です。中にはいわゆる政治活動家として暗躍されている方もいるかもしれませんが、政治活動を行っていることに変わりはありません(語弊があると難なのですが、あくまで例え話です)。重要のは私たちがWebを生業としている限り、Web世界における政治家としての責任があるということです。以下、Wikipediaから「政治家に求められる資質」を引用します。

マックス・ヴェーバーは、「政治家の本領は『党派性』と『闘争』である」と指摘している。そのうえで、政治家に求められる資質として以下の3つを挙げている。

  • 未来を構想しながら、現実を変革していこうとする情熱
  • 現状をいまそこにあるままに、しかも一定の距離感覚をもって理解できる洞察力
  • 政治がときには暴力を手段として選ばざるを得ないことを踏まえた結果責任への自覚

リアル世界でも政党があるように、Web世界でも様々な主張があります。HTML5に関する主張をする人もいれば、方やRIAに関する主張をする人がいます。個人で活動するタフな人もいるかもしれませんが、大体は同じ主張を持つ者同士が組織を作り、目標の実現に向けて切磋琢磨するはずです。私個人の話で言えば、Web制作者である以上、今ある現状を受け入れ、どうすればより良くなるのだろうか?と試行錯誤し、自分の判断が時には悪影響を及ぼす可能性があるという責任感を持って取り組み、未来を構想しながら現実を変えようとする姿勢を保ち続けたいと思っています。

とまあ、例えが分かりづらい上にかなりの極論になってしまいましたが、要するにWeb標準というのは、私たち次第でどうにでも変えられるということです。当時は理想論だと言われていた標準技術も、今ではWeb制作におけるデファクトスタンダードになっています。CSS 2.1においては、未だ勧告もされていないのにも関わらず、ブラウザで実装されているモジュールは積極的に利用され、IE6などの旧ブラウザのために、解釈の違いを逆手に取った『CSSハック』と呼ばれるテクニックなども生み出されていきました。CSSハックは標準技術ではありませんが、特定のブラウザのレンダリング処理を補うためには必要なものであり、Web標準が普及する上で暗躍してきました。

CSSハックや、こうしたクロスブラウザありきの考え方の善し悪しは置いておいて、ただ普及するのを待っているだけではなく、新しい技術や考え方があるのなら、どんどん取り入れていこうという姿勢が大事だと思うのです。Web標準はあくまで"標準"なので、決められたことは是が非でも守らなければならないというような厳格なルールではなく、ガイドラインとしての大まかな指針という認識で良いと思います。いわゆる「勧告」というのはISOやJISのような標準規格とは異なり、デファクトスタンダード(事実上の標準)という形式とっているため、勧告された時点で利用可能、もしくは既に普及しているということになります。そういった性質上、多くのエディターが議論を重ねながら段階を経て策定され、一般ユーザーからの意見を反映して改訂も行われるため、勧告されてから論争が起こるということはまずないでしょう。

Web標準に対する姿勢について偉そうに述べきましたが、伝えたいことは、私たちがWebという世界を作っているということです。そう思うとちょっと自信が沸いてきませんか?リアル世界と同じように政治を変えるにはそれ相応の主張が必要であるし、世界を動かす権力を持つには、それ相応の地位が必要になります。何にしても「政治家に求められる資質三ヶ条」は忘れずに可能な限り実行していきたいものですね。

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